コンタクトレンズの正しい使い方

間違った方法で目を傷つけないために

間違った方法で目を傷つけないために

コンタクトレンズの正しいつけ方、外し方をご説明いたします。

つけ方

つけ方

装着する際の注意

清潔な指で扱うことが重要です。必ず手をしっかり洗ってから装着してください。
手を洗ったら、水気をよく拭いてください。指に水気が残っていると、レンズが指から離れにくくなります。
ソフトコンタクトレンズは裏表がわかりにくいものがあるため、指にのせる時に必ずしっかり確認してください。

レンズを指の上に

利き手の人差し指にコンタクトレンズをのせます。

目を大きく開く

利き手と反対の手を使い、鏡を見ながら目を大きく開きます。人差し指と親指でしっかりまぶたを上下に広げて、レンズと目の間にまつ毛が挟まらないように注意してください。

黒目の上にそっとのせる

鏡を見ながら指にのせたレンズをゆっくり近づけ、そっと黒目にのせます。

ゆっくりまぶたを閉じる

黒目にレンズがのったら、ゆっくりまぶたを閉じます。これでレンズが目になじみます。

外し方 ソフトコンタクトレンズの場合

ソフトコンタクトレンズは、つまんで外します。

外す際の注意

清潔な指で扱うことが重要です。必ず手をしっかり洗ってから外しましょう。
両方の目で見ながら外してください。
つまんで外す時に、爪が触れないよう十分に注意してください。

鏡でレンズの位置確認

鏡を見て、レンズの位置をしっかり確かめましょう。

下まぶたを軽く引き下げる

下まぶたを利き手の中指で軽く引き下げてください。

レンズをずらしてつまむ

中指で下まぶたを下げた状態をキープしながら、人差し指でレンズを白目に少しだけずらします。ずらしたレンズを人差し指と親指でつまんで外します。

 

外し方 ハードコンタクトレンズの場合

ハードコンタクトレンズは、まばたきで落として外します。

外す際の注意

レンズがまぶたの裏に入ることを避けるために、まぶたを押さえる際には内側の赤い結膜が見えないようにしてください。
清潔な指で扱うことが重要です。必ず手をしっかり洗ってから外しましょう。
外れにくい時には無理せず、まばたきや点眼などの後でやり直してください。

鏡でレンズの位置確認

鏡を見て、レンズの位置をしっかり確かめましょう。

目尻を押さえて引っ張ります

外したいレンズの同じ側にある手の人差し指を目尻に当てて押さえます。目を大きく開いたまま、人差し指を耳の方に引っ張ります。

まばたき

押さえていない方の手の平を、外したい方の頬に当て、まばたきを行います。

落ちてきたレンズを受け止めます

落ちてきたレンズを受け止めます。まつ毛などにくっつく場合もありますので、慌てずにどこに落ちたか確認しましょう。

 

 

別の方法

① スポイトを使用する方法

ハードコンタクトレンズ専用のスポイトの吸盤部分でコンタクトレンズを吸い付けて取り外します。
※ソフトコンタクトレンズでは使用しないでください。

~メリット~
・コンタクトレンズが飛び出す事がほとんどないため紛失予防となります。
・まぶたを引っ張ることによる皮膚への負担がありません。

SPスポイト

 

 

② 指でまぶたを押さえて浮かせる方法。

レンズが落下することがあるため洗面台などは避け、テーブルの上に紛失予防としてタオルを敷きましょう。
※落下したコンタクトレンズの色が目立つようになるべく白の無地が良いです。

黒目がまぶたにかからない状態まで目を見開き、黒目と指が一直線になるようにまぶたを押さえます。

コンタクト外し方,まぶたの押さえ方1

図1は横から見たイメージです。

図1コンタクト外し方,まぶたの押さえ方2

コンタクトレンズは普段まばたきの度にまぶたの下に潜り込んでいるのですが、まぶたを押さえることでコンタクトレンズは行き場を失い引っかかって外れるという原理です。

押さえ方のコツで、位置はまつ毛の生え際あたり、あまり力は入れず軽く押さえることです。
つい押さえる指に力が入ってしまい、あっかんベーをした時のようにまぶたがめくれて内側の結膜(赤い部分)が見えると、レンズの逃げ場ができてしまって外れません。
まぶたを押さえながらゆっくり目を閉じ、コンタクトレンズがまぶたに引っかかって外れたらそのまま指で挟み取ります。

外れたコンタクトレンズが指で取れなくてもまつ毛にくっついていることもあります。
目をとじたまま慌てずに、そっとまぶたに触れてみてください。

 

慣れでうっかり忘れがちなポイントを再チェック

コンタクトレンズの正しいケア方法

コンタクトレンズの汚れ

コンタクトレンズには見えない汚れが蓄積しやすいものです。
特に水分が多いソフトコンタクトレンズは、細菌やカビなどが繁殖しやすくなっています。
正しいケアをしっかりと行い、適切に管理していきましょう。

涙に含まれる成分による汚れ

タンパク質・脂質・カルシウムなど、涙に含まれる成分は目の健康を保つために重要なものですが、コンタクトレンズに付着すると目に悪影響を与えます。毎日丁寧にお手入れをしていても少しずつ蓄積していきやすいため注意が必要です。

細菌など

細菌・ウイルス・真菌(カビ)などが繁殖しやすいため、感染症を引き起こす可能性があります。
特に、ソフトコンタクトレンズの場合は感染リスクが高いので注意が必要です。

化粧品などの付着

脂質や化粧品など油性の汚れが付着した場合、ケアでは除去することができない場合もあります。
眼科検診を定期的に受け、レンズの状態をチェックしてもらいましょう。

 

コンタクトレンズのケア

特にご注意ください

  • コンタクトレンズに触れる前には必ず手を洗い、清潔な状態で扱ってください。
    ソフトコンタクトレンズの手入れには、ケア用品以外の液体の使用を控えてください。レンズの変質・変形、塩素やカビなどの影響が考えられるため、浄水器を通したものでも水道水は絶対に使用しないでください。
  • レンズケースは、ソフトレンズは約1カ月に1回、ハードレンズは約6カ月に1回を目安に交換してください。
    特にソフトレンズの場合、使い捨てコンタクトレンズの増加やケア用品の変化で煮沸消毒をしなくなったため、ケースに繁殖した雑菌によりコンタクトレンズそのものが汚染されるリスクが高くなります。
  • 落ちない汚れがついてしまった時や、清潔ではない場所に落としたレンズは使用しないでください。
    脂質汚れは非常に落ちにくく、レンズのくもりや眼病の原因となることがあります。
  • コンタクトレンズを定められた交換期限を過ぎて使用しないでください。

 

ソフトコンタクトレンズのケア

MPS(マルチパーパスソリューション) 、過酸化水素(AOセプトクリアケア)、ヨウ素(ポピドンヨード/クリアデュー ファーストケア)などのお手入れ方法があります。

・MPS(マルチパーパスソリューション)
こすり洗いでレンズの汚れを落とし、一定時間の保存中に消毒します。
洗浄・保存・すすぎが
1本ででき目に入っても大丈夫なので安全性は高いですが、過酸化水素など他のタイプと比べると消毒効果は弱く、しっかりとこすり洗いをおこなう事が大切です。
  1. こすり洗い

    清潔な手のひらにレンズを置き、片面20回以上こすり洗いし、裏返してもう片面も同じようにこすり洗いします。

  2. すすぎ

    洗浄液で両面をしっかりすすぎます。

  3. ケースで消毒

    レンズを入れたケースに洗浄液を満たして蓋をし、4時間以上置きます。
    レニューフレッシュ コンタクトレンズ スリムケア コンタクトレンズ プロケアソリューション コンタクトレンズ
    など。
    過酸化水素(AOセプトクリアケアなど)

    手荒れなどでこすり洗いを十分にできない方におすすめできる方法です。
    ただし汚れが強い場合には、MPSでのこすり洗いが必要になります。

    1. レンズのセット
      レンズホルダーにレンズをセットします。左右を間違えないようにしてください。
    2. 洗浄液をそそぎます
      ケースの内側にある線まで薬液をそそぎます。
    3. レンズホルダーをケースにセット
      レンズホルダーをケースに入れてキャップを閉めます。

    6時間以上放置する必要があります。

    6時間以上経過すると薬液は中和されるため、そのまま装着できます。
    MPSですすいでから装用すると、より安全で清潔にお使いいただけます。

    ご注意

    6時間以上経過していないなど、消毒液が十分に中和されていない状態で装用すると強い痛みなどを生じます。必ず6時間以上経過してから装着してください。なお、冬場の温度が低い場所では時間が経過しても中和が不十分な事があります。消毒中に適度な室温が維持できない場合は季節に合わせてケア用品を変更する事がおすすめです。

    クリアケアなど。

    ヨウ素(ポピドンヨード/クリアデュー ファーストケア)

    消毒効果がとても高いため、レンズケースなどの消毒にも向いていますが、レンズに色素沈着を起こす場合もありますので必ず確認してください。また、汚れが強い場合には、MPSでのこすり洗いをしてから手入れをします。目に対しての刺激は少ないです。

    1. レンズをセット
      レンズホルダーにレンズをセットします。左右を間違えないようにしてください。
    2. 薬液と錠剤を入れます
      ケースの内側にある線まで薬液を入れ、薬剤を1つ入れます。
    3. レンズケースの蓋を閉めます
      レンズケースの蓋を閉めて4時間以上放置します。薬液の色はオレンジから透明に変化します。
    4. すすぎ液でレンズをよくすすいでから装着します。

     

    クリアデュー コンタクトレンズなど。

     

     

    ハードコンタクトレンズのケアの一例

    レンズを外してこすり洗いをし、水道水ですすいだあとに保存液を入れたケースに収納します。

    近年は洗浄・保存・たんぱく除去が1本で出来るタイプが主流ですが、落ちにくい油性の汚れなどが付着した際はこすり洗い専用の洗浄液を使用することをお勧めします。ただし、研磨剤を含んだ洗浄液が使用できないレンズがありますのでご注意ください。

    酸素透過性のハードコンタクトレンズは、別途プロージェントなどの強力なたんぱく除去を行うとより効果的です。

    1. こすり洗い
      レンズを外したら、しっかりこすり洗いを行います
    2. すすぎ
      水道水(流水)ですすぎます。
    3. 洗浄液で保管
      洗浄液を入れたケースにレンズを収納し、4時間以上浸け置きします。
    4. すすぎ
      必ず水道水でよくすすいでから装用します。

    ハードコンタクトレンズはレンズが水分を含まないため、水道水(流水)を使ってすすぎをおこないます。ハードコンタクトレンズ用の洗浄液は眼に入らないように注意してください。

     

     

    ケアマイルドプラスモイストワン コンタクトレンズなど。

     

    使い分けて安心&便利

    コンタクトレンズのサポートアイテム

    コンタクトレンズのつけ外しに役立つもの、乾燥や汚れ防止を目的としたもの、普通のケアでは取りにくい油分やタンパク質を強力に除去するものなど、安心と便利をサポートするケア用品を使うのも有効です。

    ハードコンタクトレンズを外しにくい時のサポートアイテム

    SPスポイトは、外しにくいハードコンタクトレンズを簡単に外すためのアイテムです。

    汚れやくもりを抑えるアイテム

    コンタクトレンズの汚れやくもりを抑え、乾燥を緩和するアイテムです。メニコンフィットやシードロップがあります。装着する前にレンズ内面へ数滴垂らします。

    頑固な汚れ除去のためのアイテム

    ジェルクリンは、通常の洗浄液では落とせない化粧品などの油汚れを除去するアイテムです。
    また、タンパク質の汚れが蓄積しやすいハードコンタクトレンズには、タンパク汚れ専用のプロージェントで強力にタンパク質を除去できます。かなり作用が強いため、1ヶ月に1度程度の使用を目安に使用します。こちらはソフトコンタクトレンズには使えませんのでご注意ください。

    これって本当?

    コンタクトレンズのウソ・ホント

    • 見え方が変わりなく、同じものを購入する場合も、眼科受診は必要!
      ホント:コンタクトレンズはデリケートな目に直接入れて使うものですから、装用には眼疾患のリスクがあります。購入時だけでなく、定期的な検診を受けて、トラブルを早期発見し、適切な治療やアドバイスを受けることで目の健康と美しさを守りましょう。
    • コンタクトレンズ選びでは度数だけわかっていれば大丈夫!
      ウソ:コンタクトレンズはメーカーやブランドにより微妙に形状が異なっています。角膜の厚みや形状もお一人おひとりが違っているため、度数以外にもフィットの状態や動きの影響などを専門医がしっかりチェックする必要があります。素材や設計などによる違いや、見え方、装着感など、しっかり合わせたコンタクトレンズを選べば、目のトラブルを招く可能性がそれだけ低くなりますし、疲れも軽減します。
    • 少し仮眠するだけなら、コンタクトレンズを外さなくてOK!
      ウソ:短時間の仮眠でも、目を傷つける原因になってしまいますので、必ず外してください。睡眠不足の時などには、念のためコンタクトを外してメガネにかえておくと安心です。
    • 特にトラブルがなくても定期的に交換は必要!
      ホント:見えない汚れが蓄積していきますし、劣化の可能性もありますので、ソフトコンタクトレンズは1年を、ハードコンタクトレンズは1~2年を目安に新しいものと交換する必要があります。
    • 1DAYコンタクトを外しても、最初につけてから24時間以内であればもう1度装着してOK!
      ウソ:再装用は絶対にしないでください。どれだけ短時間の装用であっても、その都度、新しいものを装用します。
    • 2WEEKタイプは、使用しない日があっても2週間を超えた使用はNG!
      ホント:メガネなどを使用して使わない日があっても、開封した日から2週間で必ず破棄する必要があります。
    • いくつになってもコンタクトレンズを使うことは可能!
      ホント:目や体の状態や病気などによりコンタクトレンズの使用が制限されることはありますが、基本的に年齢には関係がなく、いくつでもお使いいただけます。