インターネットでコンタクトレンズを購入されている方へ

インターネット販売のコンタクトレンズを使用している方へ

インターネット販売のコンタクトレンズを使用している方へ最近、コンタクトレンズの購入は、量販店やインターネット販売が利用できるようになってきています。こうした購入方法はとても手軽ですが、眼科の診療を受けずに使い続けた結果、大切な目に重度の障害が生じて治りにくい状態になってしまうケースが増えています。

コンタクトレンズは、目に直接つけて使う高度管理医療機器です。
目は非常にデリケートであり、専門医ではない医師による形だけの診療や、資格のないスタッフによる簡単な検査では、一人ひとり異なる目の形状や、涙の状態などに合わせた適切なレンズを選ぶことはできません。
また、網膜など早期発見が必要な疾患を見落としてしまう可能性もあります。

合っていないレンズは、目に障害を起こし深刻な眼疾患につながってしまう可能性もあります。
いつまでも健康で美しい目を守るために、眼科専門医による定期的な検診を受け、最適な状態でコンタクトレンズを使うようにしてください。

コンタクトレンズによる眼障害

お手入れが不要なレンズや、印象的な瞳を演出するカラーコンタクトレンズの登場によって日本のコンタクトレンズ使用者は増え続けており、現在は1,500万人以上の人が使っているというデータがあります。
手軽に使用できる環境になった反面、危機感が薄れコンタクトレンズによる眼障害や眼疾患も増えています。

コンタクトレンズと目の間に入った小さなゴミや、レンズに付着した汚れ、残留したケア用品などによって、特に角膜上皮は障害を受けやすくなっており、角膜に傷がないか定期的に調べることが重要です。
こうした細かい傷は特殊な目薬と顕微鏡を使った検査で確認するため、眼科でしか受けることはできません。

しかし、眼科といっても医師が眼科専門医でなければ病状を見落としてしまう危険性があり注意が必要です。

コンタクトレンズによる眼疾患が起こるメカニズム

コンタクトレンズは角膜の表面を覆います。コンタクトレンズと角膜の間に異物や汚れが入ると傷つきやすいだけでなく、角膜に十分な涙が行きわたらなくなり、酸素不足を起こす場合があります。
角膜は酸素が不足すると酸欠を起こし、さらに傷つきやすくなるため、重篤な疾患や感染症などのリスクも上がってしまいます。
こうした理由により、コンタクトレンズは「高度管理医療機器」であり、使用には定期的な検診が必要とされます。
不十分なケア、つけ外しの際の不注意、長時間装用など、誤った使用方法により眼病のリスクはさらに高まりますので気を付けましょう。

コンタクトレンズによる眼疾患

コンタクトレンズの装用によって起こりえる、リスクが高い眼疾患の代表的なものをご紹介します。

感染症角膜炎

異物や外傷による外因性と、細菌・ウイルス・真菌(カビ)の感染などによる内因性があります。
長時間のコンタクトレンズ装用やレンズのケア不足などで起こりやすくなります。
ウィルスに感染した場合などは重症化しやすく、治療に時間がかかります。
目の痛み、涙、目やに、角膜の白濁などの症状があり、光が以前よりまぶしく感じられます。

角膜潰瘍

角膜がただれている状態です。進行すると潰瘍が深くまで及び、症状や合併症が強くなります。長時間のコンタクトレンズ装用やレンズのお手入れ不足などで起こりやすくなります。
目の痛み、異物感、涙などの症状があり、光が以前より眩しく感じられます。角膜に白い点ができる場合もあります。症状が進むと結膜の充血も現れます。

点状表層角膜炎

コンタクトレンズの長時間装用、ウイルスや細菌の感染、ドライアイ、化学物質、紫外線、アレルギーなどの原因により起こる炎症で、治るまでに時間がかかり、再発しやすい特徴を持っています。
コンタクトレンズの装用を続けていると治りにくいため、注意が必要です。
目の痛み、涙、充血などの症状があり、光に対して過敏になり、ものがぼやけてはっきり見えなくなるケースもあります。

アレルギー性結膜炎

花粉やハウスダウストなどによるアレルギー性結膜炎が一般的によく知られています。アレルギー性結膜炎の症状がある時にコンタクトレンズを装用するとその刺激で症状が重くなり、眼疾患を引き起こしやすくなります。
また、コンタクトレンズの汚れにより、アレルギー性結膜炎を引き起こすこともあります。これを予防するためには、適切なレンズを選択し、正しいレンズケアを行うことが不可欠です。
目や周囲のかゆみ、腫れ、充血などが代表的な症状です。目がかゆいため、ついこすってしまい、角膜などを傷つける可能性が高くなるので注意が必要です。

こんな症状に気付いたら、すぐに眼科を受診しましょう

充血、痛み、ゴロゴロするなどの異物感、目やに、かゆみ、ふいに涙が出る、目が乾くなど。
単なる疲れ目なのか、疾患があるのかは眼科で検査を受け、専門医が診察をすることではじめてわかります。
ソフトコンタクトレンズの場合、レンズがクッションのような役割をして、まばたきなどによる刺激や痛みがやわらいでしまい疾患の発見が遅れる場合があります。
また、水分を含んでいるコンタクトレンズは肉眼では見えない雑菌の温床になりやすく、見た目が綺麗でも、実はケースや保存液からコンタクトレンズが汚染されていて、傷口から感染するというパターンがありますので要注意です。
このように進行してから自覚症状が現れる疾患もあります。

眼疾患の中には、放置していると悪化して視力に重大な影響を及ぼすものや、失明する可能性があるものまであります。症状に気付いたら早めに眼科を受診してください。
特に痛みやぼやけなど明らかに自覚症状がある時にコンタクトレンズを装用することは非常に危険です。

検診は、早期発見だけでなく予防にも役立ちます

眼科検診は、トラブルを早期発見し、深刻な症状を起こす前に適切な治療を行うためでもありますが、そうしたトラブルの予防の役割も担っています。専門医が目の状態をしっかり観察しますので、安心してコンタクトレンズをお使いいただけます。