コンタクトレンズのトラブル

デリケートな目の健康と美しさを守るために

デリケートな目の健康と美しさを守るためにコンタクトレンズによる眼疾患が起こっていても、自覚症状が現れるのが遅れ、治療が難しくなるケースが増えています。
充血や目やになど、割と日常的な症状だと自己判断で軽く考えて受診が遅れると、治療が長引きコンタクトレンズを使用できなくなったり、後遺症として視力に大きな悪影響を及ぼしたりする場合が多く、重篤になると角膜移植や失明につながる可能性もゼロではありません。いま視界が綺麗に見えているという事は、とても大切にしなければならない事なのです。

また、眼疾患で痛みなどの自覚症状がほとんど無く、目の異常に気づく事が遅れてしまう事が多くあります。
原因はいくつかありますが、たとえばソフトコンタクトレンズの場合。
目にキズがあったとしても、コンタクトレンズがクッションの役割をしてしまい刺激を和らげてしまう事があります。
気づかないまま使用を継続する事によって、キズが悪化したり、感染症を起こしたりすることがあります。特にカラコンのように酸素透過率が低く、乾きやすいレンズは目に負担がかかりやすく危険です。
そして、たとえば見え方。
ふだん多くの人は両目を開けて物を見ています。左右どちらかが利き目となります。
両目で生活していると、どちらかの眼に異常があっても見え方を補う事があり、特に効き目ではない方が見えにくい時に異常に気が付きにくい事があります。
定期的に眼科専門医を受診し、気になる症状があれば相談しましょう。

こんな症状があったらすぐに眼科受診を

また、これといった症状がなくても、次のようなことに心当たりがありましたら、眼疾患が起こっている可能性があります。できるだけ早く眼科を受診しましょう。

  • 40歳以上である
  • 片目もしくは両目とも視力が下がった
  • 親・兄弟に緑内障などの疾患になっている人がいる
  • 定期的に眼科で検診を受けていない
  • コンタクトレンズ購入時に眼科専門医による診察を受けていない
  • 日常的に12時間以上、コンタクトレンズを装用している
  • 使い捨てレンズを使用期限より長く使ってしまった
  • 使い捨てではないが、ハードコンタクトレンズを2年以上、ソフトコンタクトレンズを1年以上使い続けている
  • コンタクトレンズをつけたまま眠ってしまった
  • 1年以上、同じケースを使っている
  • ケースの洗浄がきちんとできていない
  • 清潔ではない手でレンズに触れている
  • こすり洗いがしっかりできていない
  • 安全性が確認されていないカラーコンタクトレンズを使っている

(承認基準を満たしているサークルレンズは、ワンデーアキュビューディファイン、2ウィークアキュビューディファイン、2ウィークメニコンRei、フレッシュルックデイリーズ、ナチュレールの5種類です。これ以外をご使用の場合、できるだけ早く眼科検診を受けてください。 2017年7月時点)

こんな症状はありませんか?

10.3	こんな症状はありませんか?日常でもよくある症状ですが、コンタクトレンズを使用していて、定期的な眼科検診を受けていなかったり、手入れ不足などがある場合、重大な眼疾患が隠れている場合もあります。
「ちょっと目が疲れているだけ」と自己判断で軽く考えず、以下のような症状に気付いたらすぐに眼科専門医を受診しましょう。

目の乾き

コンタクトレンズの使用は涙液のスムーズな交換を妨げるため目が乾きやすく、ドライアイになりやすいとされています。
パソコンやスマートフォンの画面を見ることや、エアコンで乾燥した室内にいると、ドライアイは一層リスクが高まるため、コンタクトレンズ使用が加わると更に悪化しやすいと言えます。
ドライアイは涙の不足だけでなく、涙の質の変化で生じる場合もありますので、涙の量が多いと感じていても注意が必要です。
乾燥により、コンタクトレンズの張り付き感、かすみ、痛みなど、様々な症状が表われることがあります。

目やにが増える

眼疾患では目やにの症状が現れるものがよくあります。角膜のびらんや潰瘍などでは痛みが伴わない場合もあります。

レンズがくもる

レンズの汚れ、目の乾燥、眼疾患など、レンズがくもる理由はさまざまです。
コンタクトレンズの装用時間や使用期間の超過、手入れ不足などによる汚れは、角膜のびらんや潰瘍につながりますし、アレルギー性結膜炎を生じる可能性もあります。
結膜炎により分泌物が増えると汚れが落ちにくくなり、症状が悪化していくため、早めに治療を受ける必要があります。

レンズが動く

コンタクトのベースカーブが目に合っていないとレンズが角膜上で異常に動いてしまう場合があります。
残念ながら、もともと処方が合っていない事もありますが、コンタクトレンズはプラスチック素材で出来ているため、使用方法や使用年数によって変形が起こる事があります。
また、レンズの汚れによってフィッティングにずれが生じ動きやすくなるケースや、汚れによってまぶたに炎症が起きて巨大乳頭結膜炎になった場合も、レンズが大きく動くことがあります。

かゆみがある

アレルギー性結膜炎やドライアイは、コンタクトレンズの装用で症状を悪化させることがよくあります。
また、誤った使用方法による結膜炎や角膜のびらん、潰瘍などにより症状が起こっているケースもあります。

痛む、しみる

ドライアイなどの可能性が高いのですが、コンタクトレンズの刺激により角膜に疾患が起こっているケースも珍しくありません。

以前より直射日光や夜間のライトがまぶしい

コンタクトレンズに傷や汚れが付いていたり、フィッティング不良などで、光が散乱してまぶしく感じることがあります。
レンズを外した際に同じまぶしさを感じる場合や、視界が白っぽく見える場合には、角膜に疾患が起こっていると考えられます。

 

見るために目は非常に大切です。
特に網膜など目の奥は、早期発見が大切です。
異変を感じた時は手遅れという事もありえます。
一生のものですから普段から意識しておきましょう。